VPA
バルプロ酸ナトリウム
項目名称
バルプロ酸
臨床的意義
- 薬理効果は脳内濃度に依存し,その濃度は血中濃度と平衡関係にあるため,血中濃度測定は重要である.
- 一般的に,血中薬物濃度を測定することの臨床的意義は以下のとおりである.
①薬物の効果を直接評価しにくい予防的投与などにおける効果判定が可能になる.
②過量投与や薬物相互作用による中毒・副作用の防止・回避が可能になる.
③肝臓や腎臓などに障害がある患者の場合,血中薬物濃度を指標に,個々の患者の病態に合わせた至適投与量設定が可能になる.
④患児や高齢患者で投与量を決めにくい薬物の場合,血中薬物濃度を指標に,個々の患者に合わせた至適投与量設定が可能になる.
⑤薬物併用による薬物-薬物間相互作用の評価が可能となる.
⑥患者が服薬指示を守っていない,または誤薬の疑いがあるときのチェックが可能となる.
適応症
- 小発作,焦点発作,混合発作,精神運動発作などのてんかん発作.
基準値・異常値
有効治療濃度 | 50~100μg/ml |
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副作用 |
〈濃度依存性〉
〈濃度非依存性〉
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予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
エミット2000 バルプロ酸 アッセイ
添付文書記載の |
<参照治療域> 多くの患者において、全般的及び部分発作を効果的にコントロールできるバルプロ酸の血清濃度は50~100μg/mLです.発作のコントロールは100μg/mL以上でより改善されますが、その反面100~150μg/mLになると中毒が生じることがあります.*2 <測定結果の判定> ・ 結果は各種自動分析装置によって自動的に計算されます.検体を用手法で希釈しないのであれば、さらに必要な操作はありません.詳細については各機器の取扱説明書を参考にしてください. <判定上の注意> ・ 高濃度のバルプロ酸検体を希釈した時の測定結果の正確性は、希釈に使用した溶液(エミット2000 バルプロ酸 キャリブレータ0、蒸留水又は脱イオン水)、希釈の精度、薬剤代謝物に対する測定法の特異性等の影響を受けます. * Garnett WR. Antiepileptics. In: Schumacher GE, ed. Therapeutic Drug Monitoring . Norwalk, Connecticut: Appleton & Lange; 1995:345-362. *2 Jacobs DS, DeMott WR, Grady HJ, Horvat RT, Huestis DW, Kasten BL Jr. Laboratory Test Handbook. 4th ed. Hudson, Ohio: Lexi- Comp Inc; 1996:577- 578. |
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