FUJIFILM 富士フイルム 和光純薬株式会社
ホーム> 製品情報> 生化学検査> バルプロ酸

バルプロ酸

略称

VPA

別名

バルプロ酸ナトリウム

項目名称

バルプロ酸

臨床的意義

適応症

基準値・異常値

有効治療濃度 50~100μg/ml
副作用

〈濃度依存性〉

  • >100μg/ml:精神神経系(傾眠,協調運動障害,めまい,ときに頭痛,感覚変化),消化器系(嘔吐,胃痛,食欲不振,胃腸障害),その他(ときに鼻血,夜尿,口渇,不眠,他の抗てんかん薬と併用で言語障害).
  • >150μg/ml:高アンモニア血症,過血糖.

〈濃度非依存性〉

  • 発疹などの過敏症状.まれに白血球減少症.
予想外の値が認められたとき
  • 高値を示す場合の原因:吸収・分布相における測定,過量投与,薬物相互作用(代謝阻害),生理的変化・病態変化に伴う薬物クリアランスの低下.
  • 低値を示す場合の原因:定常状態にまだ到達していない時点での測定,ノンコンプライアンス,薬物相互作用(代謝促進),生理的変化・病態変化に伴う薬物クリアランスの上昇.

出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
無断転載を禁止します

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受け、当社が転載しているものです。
転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

製品情報

添付文書記載の
測定結果
の判定法

<参照治療域>

多くの患者において、全般的及び部分発作を効果的にコントロールできるバルプロ酸の血清濃度は50~100μg/mLです.発作のコントロールは100μg/mL以上でより改善されますが、その反面100~150μg/mLになると中毒が生じることがあります.*2
効果的な治療のためには、治療濃度範囲外でコントロールする場合があります.従って、血中薬物濃度の解釈は、上述の濃度範囲を指針として、患者の臨床症状に照らし合わせて注意深く行う必要があります.


<測定結果の判定>

・ 結果は各種自動分析装置によって自動的に計算されます.検体を用手法で希釈しないのであれば、さらに必要な操作はありません.詳細については各機器の取扱説明書を参考にしてください.
・ 血清及び血漿中のバルプロ酸濃度は、最終薬剤投与時間、検体採取時間、薬剤クリアランスに影響する病状、年齢、併用薬剤療法及び、薬剤吸収・分布・代謝・排泄の個人差等によって異なります.このような影響を及ぼす要素を考慮して測定結果を評価ください.
・ 蛋白結合部位の飽和状態、又は蛋白結合を変化させる疾患状態等によって、生物学的に活性があるフリーな薬剤が増加すると、血清又は血漿中のバルプロ酸濃度と臨床反応との関係に影響します.トータルの薬剤濃度が治療濃度範囲内であったとしても、中毒症状を呈する患者もいます.
・ 測定結果は常に、患者の病歴、臨床症状及び他の所見を考慮して解釈ください.


<判定上の注意>

・ 高濃度のバルプロ酸検体を希釈した時の測定結果の正確性は、希釈に使用した溶液(エミット2000 バルプロ酸 キャリブレータ0、蒸留水又は脱イオン水)、希釈の精度、薬剤代謝物に対する測定法の特異性等の影響を受けます.
・ 試薬には抗ヒトマウス抗体(HAMA)遮断薬が含まれていますが、患者検体中のHAMAは本法を妨害することがあります.


* Garnett WR. Antiepileptics. In: Schumacher GE, ed. Therapeutic Drug Monitoring . Norwalk, Connecticut: Appleton & Lange; 1995:345-362.

*2 Jacobs DS, DeMott WR, Grady HJ, Horvat RT, Huestis DW, Kasten BL Jr. Laboratory Test Handbook. 4th ed. Hudson, Ohio: Lexi- Comp Inc; 1996:577- 578.

お客様より寄せられた「よくある質問」を掲載しています。 よくある質問

カスタマーサポートセンター

試薬に関するお問い合わせ

0120-125-106

03-3270-9134

月〜金
8:00〜19:00
9:00〜17:30

休業日: 日曜日・祝日・当社休業日

装置に関するお問い合わせ

0120-768-838

月〜金
8:00〜17:30

※下記時間帯におきましては
電話受付のみとなります

月〜金17:30〜翌8:00・土曜日・日曜日

休業日: 祝日・当社休業日

© 富士フイルム和光純薬株式会社