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バンコマイシン

略称

VCM

別名

塩酸バンコマイシン

項目名称

バンコマイシン

臨床的意義

適応症

基準値・異常値

有効治療濃度

有効血中濃度

  • 最低血中濃度10~15μg/ml、点滴終了1~2時間後血中濃度25~40μg/mlを目安とする.
副作用
  • 重大な副作用として,ショック,アナフィラキシー様症状,急性腎不全,間質性腎炎,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少,皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),剥脱性皮膚炎,第8脳神経障害(眩暈,耳鳴,耳閉感,難聴),偽膜性大腸炎,肝機能障害,黄疸などが知られている.
予想外の値が認められたとき
  • 検査そのもの,腎機能の評価,投与法,採血方法などに問題がないか確認し,問題がなければ投与法を調整する.調整後,再検査を実施する.

出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
無断転載を禁止します

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受け、当社が転載しているものです。
転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

製品情報

添付文書記載の 測定結果
の判定法

<参照治療域>

バンコマイシンのピーク治療域はかなり変動することが報告されています.投薬と検体採取時間の両方が、ピーク治療域に影響することが考えられます.*,*2,*3,*4例えば、成人において、バンコマイシンを60分間点滴した後、2時間採血で18~26μg/mL*2、1時間で26.5~40μg/mL*4、30分採血では30~40μg/mLの濃度となります.*,*2
血清中のバンコマイシンのトラフ濃度5.0~10μg/mLは、通常、ほとんどのバンコマイシン感受性病原菌の最低阻害濃度以上で、薬物排泄が適切である、ということが証明されています.*,*3
バンコマイシンとアミノグリコシド治療の併用患者では、ピークのバンコマイシン濃度が30μg/mLを超え、かつトラフ濃度が10μg/mL以上では腎毒性を生ずることがあります.また、血清バンコマイシン濃度が、80μg/mL以上では聴覚毒性を生ずることがあります.
患者によっては、効果的な治療のために、これらの濃度範囲外の血清あるいは血漿濃度が必要なことがあります.従って、治療濃度範囲は、ガイドラインとしてのみ規定され、各々の患者結果は、他の臨床所見や兆候に照らし合わせて解釈する必要があります.


<測定結果の判定>

・ 結果は各種自動分析装置によって自動的に計算されます.検体を用手法で希釈しないのであれば、さらに必要な操作はありません.
・ 詳細については機器の取扱説明書及び測定操作法を参照ください.
・ 血清及び血漿中のバンコマイシン濃度と臨床応答との関係に影響を及ぼす因子は、感染の型や重症度、感染した器官におけるバンコマイシンに対する感受性、腎機能、健康状態そして併用薬剤などがあります.
・ 血清及び血漿中のバンコマイシン濃度は、最終薬剤服用時間、投薬頻度、併用薬剤療法、検体の状態、検体採取時間、及び薬剤の吸収、分布、代謝、排泄の個人差によって異なります.このような要素を考慮して測定結果を評価ください.
・ 診断及び治療目的のためには、この試験結果は常に、患者の病歴、臨床症状及び他の所見を考慮して解釈ください.


<判定上の注意>

・ 高濃度のバンコマイシン検体を希釈した時の正確性は、希釈に使用した溶液(エミット2000 バンコマイシン キャリブレータ0、蒸留水又は脱イオン水)や希釈の精度等の影響を受けます.


* Rodvold KA, Erdman SM, Pryka RD: Vancomycin, in Schumacher GE (ed): Therapeutic Drug Monitoring . Norwalk, CT: Appleton and Lange; 1995:587-632.

*2 Fitzsimmons WE, Postelnick MJ, Tortorice PV: Survey of vancomycin monitoring guidelines in Illinois hospitals. Drug Intell Clin Pharm. 1988;22:598-600.

*3 Moyer TP: Therapeutic drug monitoring, in Burtis CA, Ashwood ER (eds): Tietz Textbook of Clinical Chemistry. 3rd ed. Philadelphia, Pennsylvania: WB Saunders; 1999:886-905.

*4 Healy DP, Polk RE, Garson ML, Rock, DT, Comstock TJ. Comparison of steady-state pharmacokinetics of two dosage regiments of vancomycin in normal volunteers. Antimicrob Agents Chemother. 1987;31(3):393-397.

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