BUN(blood urea-N),UN
項目名称
尿素窒素
臨床的意義
- BUNは日本臨床検査医学会の提案する日常初期診療における基本的臨床検査(2)の項目の一つである.主に腎機能のスクリーニング検査として行われており,また,人工透析患者のfollow-upにも用いられている.ただし,他の検体検査,画像診断が進歩した現在,検査の依頼頻度は減少している.
- BUNは糸球体濾過率(GFR)が30%前後に低下してはじめて上昇するといわれる.
- 腎機能検査のスクリーニングとしては,クレアチニンと併せて測定し,腎前性,腎性,腎後性の高尿素窒素血症の鑑別が行われる.
- BUNのみ上昇している際には腎前性,腎後性の高尿素窒素血症が考えられ,二者とも上昇している際には腎不全などの腎性の高尿素窒素血症が考えられる.
- 腎機能の指数としてBUN/クレアチニン比が用いられる.正常では10/1であり,比が上昇している場合は腎外性因子を,低下している場合は腎性因子を考慮する.
- BUNは細胞内外の水に均等に分布する溶質であり,基準を大きくはずれた場合は,血液の浸透圧構成の異常を考慮しなければならない.
- BUNは登録衛生検査所での緊急異常値報告項目に含まれている.一般に80mg/dl以上を呈したとき緊急報告が義務づけられている(透析検体は除外).
基準値・異常値
基準値 | 8~20mg/dl |
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高値 |
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低値 | 中毒性肝炎,劇症肝炎,肝硬変の末期,尿崩症,マンニトール利尿剤投与,先端巨大症,成長ホルモン,蛋白同化ホルモンの投与次に必要な検査食事を中心とする生理的変動因子(高蛋白食),脱水,発熱,貧血,腸管出血,常用薬の検討をし,必要に応じて尿中のBUN排泄量,クレアチニンクリアランスなどを行う. |
出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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JCCLS共用基準範囲
基準範囲 |
8~20mg/dL JCCLS(日本臨床検査標準協議会)が健常者の大規模調査データをもとに、日本国内で共通に利用可能な基準範囲として設定したもので、日本医師会をはじめとする関連団体の賛同を得て公表された基準範囲です. |
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製品情報
Lタイプワコー UN・V
添付文書記載の測定結果 |
参考正常値* *北村元仕,三輪史朗 他:「臨床検査マニュアル」,173-174(文光堂)(1988). |
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