尿中微量アルブミン,尿アルブミン,ALB(尿)
項目名称
アルブミン(尿)
臨床的意義
- 本検査は,糖尿病の患者では腎症の合併の有無を知るために行われる.
- ただし,尿試験紙蛋白定性検査が陽性である場合には,この検査をする意味がない.わが国では尿中総蛋白定量が行われることが多い.
- 糖尿病腎症では,通常の試験紙法で尿蛋白が陰性でも,すでに異常変化が始まっているとされる.短期間で顕性腎症を経て腎不全に移行することが明らかにされている.したがって,高血糖,尿糖陽性の場合には尿中アルブミンを測定し,早期糖尿病腎症の有無を確認して,糖尿病患者を管理・治療することが重要である.
- 糸球体障害の指標でもあるので,糸球体に組織変化をもたらす腎疾患の原発性腎疾患でも有用である.
基準値・異常値
基準値 | 年齢,性,運動負荷などの生活習慣,生理的な条件により異なる.基準値は測定感度限界以下の低値であることも少なくない.
夜間蓄尿:10未満 早朝第1尿:20未満 随時尿:27未満(変動が大きい)
夜間蓄尿:10未満 昼間蓄尿:20未満 〈糖尿病腎症早期診断基準〉
・尿中タイプⅣコラーゲン:7~8μg/g・Cr ・腎サイズ:腎肥大 |
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高値 |
糖尿病腎症など,妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症),運動負荷,高血圧,発熱,尿路感染,原発性糸球体疾患(糸球体腎炎,ネフローゼ症候群) 次に必要な検査試験紙検査,尿総蛋白定量,尿沈渣,生化学検査が基本検査である.しばしば腎尿細管の障害の合併もあり,α1-ミクログロブリンやレチノール結合蛋白などの低分子蛋白の検査を実施する. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
オートワコー マイクロアルブミン
添付文書記載の |
微量アルブミン尿診断基準* 〈正常〉 24時間蓄尿:<30mg/24時間 時間尿 :<20μg/分 随時尿 :<30mg/gCr 〈微量アルブミン〉 24時間蓄尿:30~299mg/24時間 時間尿 :20~199μg/分 随時尿 :30~299mg/gCr 〈顕性蛋白尿〉 24時間蓄尿:≧300mg/24時間 時間尿 :≧200μg/分 随時尿 :≧300mg/gCr *日本糖尿病学会 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン,67-80(2004). |
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