UA
項目名称
尿酸
臨床的意義
- 以下のとき本検査を実施する.
①痛風や腎結石を疑うとき.
②腎機能検査,成人病検査,人間ドックなどのスクリーニング検査として.
③高血圧,高脂血症,肝疾患などで二次性の尿酸異常が予測されるとき. - 尿酸は日本臨床検査医学会の提案する日常初期診療における基本的臨床検査(2)の項目の一つである.健診(人間ドック)での重要項目でもある.ただし,2008年度から実施される「メタボリックシンドローム健診(特定健診)」項目においては必須項目でなくなり,医師が必要と判断した場合に実施されることになった.
- 尿酸は水に難溶であり,高尿酸血症では,手足の関節腔や組織に沈着し,痛風をきたす.痛風は全年齢的に男性に多く,女性では更年期以降にみられる例が多い.
- 痛風はプリン体代謝異常に伴って高尿酸血症を示す疾患で,一次性痛風(若年性痛風)では酵素欠損症に伴う症例が明らかにされている.また二次性痛風では,細胞破壊が亢進し,核蛋白の分解が盛んになり尿酸値が上昇する.
- 腎機能検査のスクリーニングとして,BUN,クレアチニンと併せて測定される.尿酸は腎糸球体から濾過されたのち大部分が尿細管で再吸収されるため,高尿酸血症は体内における産生亢進と腎からの排泄低下などに起因する.ちなみに人間は他動物(哺乳類,鳥類)に比べ,尿酸の尿細管での再吸収が著しく高く,このことが人間の長寿に関連しているとする説がある.
基準値・異常値
基準値 | 男性 3.0~7.7mg/dl、女性 2.0~5.5mg/dl |
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高値 |
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低値 |
次に必要な検査必要に応じ尿中の尿酸排泄量を測定する.尿酸値は年齢,性別によって異なるだけでなく,食事の習慣,飲酒などによっても大きな相違があるため,高尿酸血症,低尿酸血症の診断は繰り返し測定する必要がある. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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JCCLS共用基準範囲
共用基準範囲 |
M 3.7~7.8mg/dL,F 2.6~5.5mg/dL JCCLS(日本臨床検査標準協議会)が健常者の大規模調査データをもとに、日本国内で共通に利用可能な基準範囲として設定したもので、日本医師会をはじめとする関連団体の賛同を得て公表された基準範囲です. |
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製品情報
Lタイプワコー UA・M
添付文書記載の測定結果 |
血清* 7.0mg/dL超 高尿酸血症 *日本痛風・核酸代謝学会 高尿酸血症の定義 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第1版(2002). 参考正常値 尿*2 *2日本泌尿器科学会 日本Endourology・ESWL学会 日本尿路結石症学会基準値 尿路結石症診療ガイドライン第1版(2002). |
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