別名
phospholipids(PL)
項目名称
リン脂質
臨床的意義
- 血清リン脂質値は肝臓での生合成と分解,胆汁中への排泄障害によって影響される.すなわち,血中ではリポ蛋白の構成成分として重要であるが,リポ蛋白は主として肝臓のミクロソームで産生されるため,血中のリン脂質量は間接的に肝機能状態を反映する.
- 胆汁うっ滞時には,胆汁中の異常リポ蛋白X(LP-X)が血中に逆流して増加するが,LP-Xにはレシチンが多量に含まれているため,リン脂質の組成や総リン脂質/コレステロールの比が変化するので,診断上参考となる.
- 以上のほか,高脂血症やLCAT欠損症などで総リン脂質やリン脂質分画の変化がみられるので,診断上参考となる.
基準値・異常値
基準値 | 160~270mg/dl |
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高値 |
甲状腺機能低下症,閉塞性黄疸,ネフローゼ症候群,LCAT(レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ)欠損症,高脂血症(Ⅱa,Ⅱb,Ⅲ,Ⅳ型),Niemann-Pick病 次に必要な検査
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低値 | 劇症肝炎,非代償性肝硬変,肝癌,甲状腺機能亢進症,多発性硬化症,Tangier病,家族性高比重リポ蛋白(HDL)欠損症 |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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