略称
LAP
項目名称
ロイシンアミノペプチダーゼ
臨床的意義
- 次のような場合に本検査を実施する.
①合成基質法では肝胆道系閉塞性疾患のスクリーニングや経過観察,胎児胎盤機能検査として.
②ロイシンアミド法では,さらに肝細胞傷害やリンパ増殖性疾患などのスクリーニングとして. - プロフィールで記したように合成基質法かロイシンアミド法かによって評価が異なるので,まず方法を知るべきである.
- 合成基質法で測定して高値を示す場合,アリルアミダーゼの上昇によるところが大きいので,肝胆道系の閉塞性病変を疑う.また,薬物によるミクロソーム誘導が疑われる.これらの場合,ALP(肝型)およびγ-GTの上昇も伴っていることが多い.妊娠後期には胎盤由来のCAPの上昇により,LAP活性として基準値上限の2~4倍くらいまでは上昇する.
- もし,ロイシンアミド法によって測定しているのであれば,C-LAP上昇の病態もともに考える必要がでてくる.すなわち,C-LAPは肝細胞や活性化Tリンパ球に多いため,肝細胞が損傷する肝炎などで上昇し,白血病やリンパ腫,SLE,アトピー性皮膚炎などでリンパ球由来のC-LAP上昇が認められる.
基準値・異常値
基準値 | 30~80U/l(L-leucyl-PNA)、25~43U/l(leucinamide) |
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高値 |
次に必要な検査肝胆道系閉塞性疾患の疑いがある場合,ALP,γ-GT,ビリルビン,アミラーゼ,腹部超音波検査など.肝胆膵を標的として考える. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
Lタイプワコー LAP
添付文書記載の測定結果 |
参考正常値* 30~70mU/mL(37℃) *金井 泉,金井正光:「臨床検査法提要」第31版,657-660(金原出版)(1998). |
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