GM
硫酸ゲンタマイシン
項目名称
ゲンタマイシン
臨床的意義
- 血中薬物濃度測定の目的としては,投与計画の調節,安全性・有効性の確保などがあげられる.
- 本検査は,①ゲンタマイシン治療開始後,②効果が不十分な場合,③副作用がみられた場合などに行われる.
- 投与量の過少,または投与間隔の長短が判断でき,適正な投与量,投与間隔の設定が可能となる.
- 従来,中毒の有無を調べるときにはピーク(peak)値が,底(trough)値は治療濃度が保たれているかを示すとされてきたが,最近,治療効果はピーク/MIC比またはAUC/MIC比とに関係し,底値の上昇は毒性発現をきたすと考えられてきた.
適応症
- 主に緑膿菌をはじめとしたグラム陰性桿菌感染症に使用する.グラム陰性菌感染症に対してセフェム薬やぺニシリン薬と併用で使われることが多いが,グラム陽性菌の連鎖球菌や腸球菌による感染性心内膜炎にはペニシリンGやアンピシリンとの併用で使用される.
次に必要な検査
- 腎機能を観察する.
基準値・異常値
有効治療濃度 | peak時:5~10μg/ml、trough時:2μg/ml以下 |
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副作用 |
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予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
エミット2000 ゲンタマイシンアッセイ
添付文書記載の |
<参照治療域> 投与方法によって有効血中濃度は変化しますが、4.0~8.0μg/mL又は6.0~10μg/mLのゲンタマイシンの最高血中濃度はゲンタマイシン感受性菌による重篤な感染症を効果的に改善することが報告されています.*2,*30.5~1.5μg/mL又は1.0~2.0μg/mLのトラフ濃度はほとんどのゲンタマイシン感受性菌の最小発育阻止濃度以上でかつ適切に消失することが報告されています.*2,*3さらに、2.0μg/mL以上のトラフ濃度と10又は12μg/mL以上の最高血中濃度はしばしば腎及び聴器障害を与えます.*2,*3,*4 <測定結果の判定> ・結果は機器により自動的に計算されます.結果を再計算する必要はありません. <判定上の注意> ・ゲンタマイシンを防腐剤として使用している体外診断薬のキャリーオーバーは各自動分析装置における本品の測定結果に影響を及ぼすことがあります. * Cipolle RJ, Zaske DE, Crossley K. Gentamicin/tobramycin: therapeutic use and serum concentration monitoring. In: Taylor WJ, Finn AL, eds: Individualizing Drug Therapy: Practical Applications of Drug Monitoring. New York, NY: Gross, Townsend, Frank, Inc; 1981:113-147. *2 Zaske DE. Aminoglycosides. In: Evans WE, Schentag JJ, Jusko WJ, eds. Applied Pharmacokinetics: Principles of Therapeutic Drug Monitoring. 2nd ed. Spokane, Wash: Applied Therapeutics Inc; 1987: 331-381. *3 Washington JA II. In vitro testing of antimicrobial agents. In: Henry JB, ed. Clinical Diagnosis and Management by Laboratory Methods. 18th ed. Philadelphia, Pa: WB Saunders Co; 1991: 1268-1280. *4 Sande MA, Mandell GL. Antimicrobial agents: the aminoglyosides. In: Gilman AG, Goodman LS, Rall TW, Murad F, eds. Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics. 7th ed. New York, NY: Macmillan Publishing Co;1985:1150-1169. |
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