血糖,ブドウ糖
項目名称
グルコース
臨床的意義
- 糖尿病あるいは,高血糖ないしは低血糖を呈する各種疾患,病態を疑った場合の診断およびこれらの疾患の経過観察に用いる.
- 血糖は食事による消化管からの吸収,肝臓の代謝,筋肉や脂肪など末梢組織での利用,インスリンを始めとするホルモン調節など諸因子により恒常性が保たれている.
- これらの諸調節因子のどこかに破綻をきたした場合,血糖値は異常となる.食事や運動の前後で血糖は変動し,インスリンや経口血糖降下薬などを使用している患者ではこの変動幅はきわめて大きい.
基準値・異常値
基準値 | 空腹時採血で70~109mg/dl |
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高値 |
Critical/Panic value 【500mg/dl以上】 尿中ケトン体,血漿浸透圧,血液ガスなどの測定を行い,糖尿病昏睡の危険性について検討する.糖質輸液点滴中のラインからの採血などのサンプリングのエラーでないことを確認する.
次に必要な検査HbA1c,IRI,尿中C-ペプチド,糖負荷試験(75g OGTT)などの測定を行う.糖尿病以外が疑われるときは,各種ホルモン検査や画像診断を行う.
次に必要な検査上記と同様.ただし,明らかな糖尿病には,OGTTは原則として行わない. |
低値 |
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予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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JCCLS共用基準範囲
基準範囲 |
73~109mg/dL JCCLS(日本臨床検査標準協議会)が健常者の大規模調査データをもとに、日本国内で共通に利用可能な基準範囲として設定したもので、日本医師会をはじめとする関連団体の賛同を得て公表された基準範囲です. |
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製品情報
Lタイプワコー Glu2
添付文書記載の |
参考正常値 血漿* 70~110mg/dL 尿*2 0.13~0.5g/日 *吉利 和, 他:「臨床検査の意義と解釈」第2版,185-217(医学書院)(1968). *2茂手木皓喜:「臨床検査マニュアル化学編Ⅳ資料編」,35(株式会社テクノ)(1979). |
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