ESM
項目名称
エトスクシミド
臨床的意義
- 薬理効果は脳内濃度に依存し,その濃度は血中濃度と平衡関係にあるため,血中濃度測定は重要である.
- 一般的に,血中薬物濃度を測定することの臨床的意義は以下のとおりである.
①薬物の効果を直接評価しにくい予防的投与などにおける効果判定が可能になる.
②過量投与や薬物相互作用による中毒・副作用の防止・回避が可能になる.
③肝臓や腎臓などに障害がある患者の場合,血中薬物濃度を指標に,個々の患者の病態に合わせた至適投与量設定が可能になる.
④患児や高齢患者で投与量を決めにくい薬物の場合,血中薬物濃度を指標に,個々の患者に合わせた至適投与量設定が可能になる.
⑤薬物併用による薬物-薬物間相互作用の評価が可能となる.
⑥患者が服薬指示を守っていない,または誤薬の疑いがあるときのチェックが可能となる.
適応症
- 定形欠伸発作(小発作),小型(運動)発作(ミオクロニー発作),失立発作,点頭てんかん.
基準値・異常値
有効治療濃度 | 40~100μg/ml |
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副作用 |
〈濃度依存性〉
〈濃度非依存性〉
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予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
エミット エトサクシミドアッセイ
添付文書記載の |
<参照治療域> 本法は血清又は血漿中に含まれるエトサクシミド濃度10~150μg/mLを正確に測定します。血清エトサクシミド濃度40~100μg/mLで、大多数の患者は十分な治療の効果が得られます.* <測定結果の判定> ・ 血清又は血漿中のエトサクシミド濃度と臨床反応との関係に影響する要因としては、発作のタイプと重症度、年齢、健康状態、併用薬剤などがあります. <判定上の注意> ・ 高濃度検体を希釈する場合は、適切な希釈液(エミットAEDキャリブレータ0)の使用、希釈の正確さ、薬剤代謝物への特異性が測定結果の正確性に影響します. * Stoehr GP and Sherwin AL: Ethosuximide: Therapeutic use and serum concentration monitoring, in Taylor WJ and Finn AL (eds.) : Individualizing Drug Therapy: Practical Applications of Drug Monitoring, vol. 2. Gross, Townsend, Frank, Inc., New York, 1981,pp.27-48. |
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