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シクロスポリン

略称

CYA

項目名称

シクロスポリン

臨床的意義

適応症

腎移植,肝移植,心移植,肺移植,膵移植における拒絶反応の抑制,骨髄移植における拒絶反応および移植片対宿主病の抑制

上記以外にBehcet病(眼症状のある場合),尋常性乾癬(皮疹が全身の30%以上に及ぶものあるいは難治性の場合),膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症,関節症性乾癬,再生不良性貧血(重症),赤芽球癆,ネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイドに抵抗性を示す場合)

基準値・異常値

出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
無断転載を禁止します

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受け、当社が転載しているものです。
転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

有効治療濃度

・有効血中濃度域:50~200ng/ml(FPIA),100~400ng/ml(RIA),100~450ng/ml(HPLC)

※移植や他の免疫抑制剤の併用の有無により異なり、測定法によっても異なる.
・治療域:0.8~2.0μg/ml(ネオーラル®を投与した場合)

※製剤によっても有効血中濃度域が異なる.
・中毒域 300ng/ml(FPIA)以上(血清クレアチニン濃度の上昇を伴う場合).中毒症状は,腎障害,高血圧,高脂血症.

副作用
  • ショック,腎障害,肝障害,中枢神経系障害,感染症,急性膵炎,血栓性微小血管障害,溶血性貧血,血小板減少,横紋筋融解症,悪性リンパ腫,リンパ増殖性疾患,悪性腫瘍(特に皮膚),神経Behcet病症状[内服]

今後の検査の進め方

  • 腎・肝・膵機能障害などの副作用が起こることがあるので,頻回に臨床検査〔血球数,クレアチニン,BUN,ビリルビン,AST(GOT),ALT(GPT),アミラーゼ,尿検査など〕を行うなど,患者の状態を十分に観察する.異常が認められた場合には減量・休薬などの適切な処置を行う.
  • 全身痙攣,意識障害,失見当識,錯乱,運動麻痺,小脳性運動失調,視覚障害,視神経乳頭浮腫,不眠などの脳症の徴候を呈することがあるので,このような場合には,CT,MRIによる画像診断を行うとともに,減量または中止するなど適切な処置を行う.
  • なお,低マグネシウム血症による神経学的症状の発現が知られているので,特に移植直後は血清マグネシウム値に注意し,マグネシウム低下がみられた場合にはマグネシウムを補給するなど,適切な処置を行う.
  • CYA注射液の添加剤であるポリオキシエチレンヒマシ油を含有する医薬品でショックの発現が報告されているので,注意する.また,ポリオキシエチレンヒマシ油を含有する他の製剤で高脂血症がみられたとの報告がある.
予想外の値が認められたとき
  • CYA注射液を過量投与し,悪心・嘔吐,傾眠,頭痛,頻脈,血圧上昇,腎機能低下などの徴候や症状が発現した場合,CYAの血中濃度と症状の程度に相関性がみられるので,血中濃度をモニターし,必要により対症療法を行う.CYAは透析によりほとんど除去されない.
  • サンディミュン®を過量投与し,CYA注射液と同様の徴候や症状が発現した場合,服用後短時間であれば催吐,活性炭投与,胃洗浄が有効である.
  • CYA注射液は多くの薬剤との相互作用が報告されているが,可能性のあるすべての組み合わせについて検討されているわけではないので,他剤と併用したり,CYA注射液または併用薬を休薬する場合には注意する.特に,CYAは主に代謝酵素チトクロムP4503A(CYP3A)系で代謝されるので,CYP3Aの活性に影響する医薬品・食品と併用する場合には,可能な限り血中薬物濃度を測定するなど用量に留意して慎重に投与する.
  • CYA注射液との相互作用(併用禁忌)が報告されている.

製品情報

添付文書記載の
測定結果
の判定法

<参照治療域>

全血中のシクロスポリンに対する明確な治療濃度範囲はありません.臨床状態の複雑さ、シクロスポリンの免疫抑制と腎毒性に対する感受性の個人差、採血の時間、その他の免疫抑制剤との併用投与、移植のタイプ、移植後の経過時間、及びその他の多くの要因によって、様々なシクロスポリンの最適血中濃度が要求されます.シクロスポリン値単独では治療内容を変更する際の指標にはできません.各患者は治療が開始される前に、臨床的に正しく評価されるべきであり、各施設は、臨床経験に基づいたそれぞれの治療濃度域を確立する必要があります.また、治療濃度域は使用される市販の測定試薬によって幅がありますので、使用される各市販の測定試薬毎に設定される必要があります.異なる測定試薬による値は測定法や代謝物との交差反応性が違うために、代用することはできません.また相関データから得られた換算係数も使用できません.患者ごとに1つの測定試薬を一貫して使用することをお勧めします.


<測定結果の判定>

・ 結果は測定機器により自動的に計算されます.マニュアルで希釈した検体を使用する場合以外は、何ら操作は必要ありません.
・ 詳細については使用機器の取扱説明書及び測定操作法を参照ください.


<判定上の注意>

・ 本品は全血中のシクロスポリン測定用の体外診断用医薬品で、血清や血漿中のシクロスポリンの測定には使用できません.
・ 測定結果は常に、患者の病歴、臨床症状及び他の所見を考慮して解釈ください.

お客様より寄せられた「よくある質問」を掲載しています。 よくある質問

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