CRP
項目名称
C反応性蛋白
臨床的意義
- 血中CRP濃度は,APPとして感染症,悪性腫瘍,自己免疫疾患,組織壊死(心筋梗塞など)といった炎症性疾患で増加し,その活動性の指標となる.炎症以外で増加することはなく,CRPの増加は必ず炎症の存在を示唆する.ただし炎症刺激が起こってから血中濃度の上昇が明確になるのに半日を要するため,この間は白血球数やIL-6などの炎症性サイトカインが参考となる.感染症のうち細菌性,一部の真菌性のものではよく反応するが,ウイルス性のものは上昇程度が低い.また炎症の組織では,尿路感染や,脳梗塞といった局所性のものでは上昇程度は低い.
- 上記,low grade inflammationでのCRPの測定を高感度CRPとして別に考える傾向があるが,最近の測定試薬では高感度化が進み区別化が不要な場合も多い.血管障害のリスク状態で,血清脂質などとは独立した危険因子との評価が定着しており,健康指導,特に生活習慣の改善指標として応用できる可能性があるが,現時点では医療施策上一般化したものにはなっていない.
基準値・異常値
基準値 | 0.2mg/dl以下,毛細管法(-) |
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高値 |
Critical/Panic value 感染症をはじめとする治療を要する炎症の存在は確実.炎症部位不明の場合はその特定に努める.感染症の場合は起炎菌の特定と抗菌薬の投与を行う. 次に必要な検査
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予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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JCCLS共用基準範囲
基準範囲 |
0.00~0.14mg/dL JCCLS(日本臨床検査標準協議会)が健常者の大規模調査データをもとに、日本国内で共通に利用可能な基準範囲として設定したもので、日本医師会をはじめとする関連団体の賛同を得て公表された基準範囲です. |
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製品情報
LTオートワコー CRP-HSⅡ
添付文書記載の |
参考正常値* 血清 0.3mg/dL以下 *北里医学:16,393-401(1986). <判定上の注意> 検体中に非特異反応物質(異好性抗体等)が存在する場合は、正しい測定結果が得られない場合があります.測定結果に基づく臨床診断は、臨床症状や他の検査結果と併せて担当医師が総合的に判断して下さい. |
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