Cr
項目名称
クレアチニン
臨床的意義
- クレアチニンは日本臨床検査医学会の提案する日常初期診療における基本的臨床検査(2)の項目の一つである.ただし,「メタボリックシンドローム健診(特定健診)」(2008年度開始)では,本項目は高値を示さないことから,除外項目となった.
- 腎機能検査のスクリーニングとして,また腎不全を疑うときに,BUNと併せて測定する.また人工透析の適応を決定する重要な決め手となっている.
- 内因性クレアチニンクリアランスの算出にも必要な検査である.
- クレアチニンは,糸球体で排泄されたのち尿細管で吸収も分泌もほとんどされない.そのため,糸球体濾過率の低下する腎不全,腎血流量の高度に低下する病態(ショック,脱水,その他)などで上昇する.
- BUNと異なり,腎外性因子の影響は少ないが,糸球体濾過率(GFR)が50%まで低下してもなお正常域を示し,腎機能の指標としては鋭敏ではない.
- 腎機能の指数としてBUN/クレアチニン比が用いられる.健常人では10:1であり,比が上昇した場合は腎外性因子を,低下した場合は腎性因子を考慮すべきとされる.
基準値・異常値
基準値 | 男性 0.6~1.1mg/dl,女性 0.4~0.8mg/dl |
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高値 |
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低値 |
次に必要な検査必要に応じ尿中排泄量や,腎機能の把握として,より正確なクレアチニンクリアランスを測定する. |
出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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JCCLS共用基準範囲
基準範囲 |
M 0.65~1.07mg/dL,F 0.46~0.79mg/dL JCCLS(日本臨床検査標準協議会)が健常者の大規模調査データをもとに、日本国内で共通に利用可能な基準範囲として設定したもので、日本医師会をはじめとする関連団体の賛同を得て公表された基準範囲です. |
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製品情報
Lタイプワコー CRE・M
添付文書記載の |
参考正常値 血清* 男 0.6~1.1mg/dL 女 0.4~0.8mg/dL 尿*2 1.0~1.5g/day *当社 社内データ *2藤井達三,渡辺富久子,奥田 潤:「臨床化学総論」第6版,251-259(廣川書店)(1977). |
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