CPK-MB(creatine phosphokinase-MB isozyme)
項目名称
CK-MB
臨床的意義
- CK-MBは心筋梗塞ですみやかに上昇するため診断,病勢把握に用いられる.一般に発症後4~6時間で上昇し,18~24時間でピークに達し,治療が奏功した場合,72時間後には正常レベルに復するといわれている.発症4時間以内の陽性率は20%前後とされ,H-FABPやトロポニンTに比べ,やや劣るとされる.
- CK-MBは横紋筋融解症,多発性筋炎,筋ジストロフィーといった骨格筋疾患でも上昇する.このためmyopathyをもたらす疾患(甲状腺機能低下症など)や,てんかん,Reye症候群などの痙攣性疾患で上昇をみる.
- 本検査は,心筋梗塞の迅速診断(特に心電図だけでは判断しかねる場合に有用)や,梗塞範囲・重症度の推定などに用いられる.
基準値・異常値
基準値 | 免疫阻害-UV:4~21IU/l/37℃、CLIA:5ng/ml以下 |
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高値 |
次に必要な検査心筋梗塞の場合は,ほかの心筋マーカー〔トロポニンT,ミオシン軽鎖,ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP),ミオグロビン,AST,LD1など〕と比較するとともに,心電図や心エコーで病態,病勢を把握する.一般に発症直後にはH-FABPやミオグロビンがまず上昇し,次いでCK-MBが上昇し,ASTやLD1が続く場合が多い.梗塞後約1週間で,CK-MBは基準範囲に戻るが,トロポニンTやミオシン軽鎖は高値が持続する.心不全の評価にはBNP(brain natriuretic peptide)か,可能であればNT-proBNPを用いる. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
Lタイプワコー CK-MB mass
添付文書記載の |
参考基準範囲* 5ng/mL以下 *臨床検査法提要;第33版,530-535(2010). <判定上の注意> ・基準範囲は各施設に適した値を設定して下さい. ・検体中に非特異反応物質(異好性抗体等)が存在する場合や、CK-BBが高濃度に出現する症例(脳に障害をきたす疾患、悪性腫瘍等)では、正しい測定結果が得られない場合があります.測定結果に基づく臨床診断は、臨床症状や他の検査結果等と併せて担当医師が総合的に判断して下さい. |
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