補体第4成分,β1Eグロブリン
項目名称
C4
臨床的意義
- 補体成分は補体価(CH50),C3,C4と併せて測定し,免疫系が関与する疾患の診断や治療効果の判定,経過観察に用いる.なかでもSLE,悪性関節リウマチ,混合性結合組織病などの結合組織病では有用な指標である.
- C4は古典経路(免疫複合体などにより活性化)の第2番目に働く成分で,その低下は古典経路の活性化による.一方,C4正常でC3低下の場合は第2経路(菌体成分LPSなどで活性化)の活性化による.
- SLEではC4低下はCH50とともに疾患活動性のよい指標となる.まれではあるが,SLEにおいてC4欠損症を合併する.SLE活動性が低いのに著しい低CH50がある場合,またC4が異常低値で治療による改善が認められない場合には疑ってみる.
基準値・異常値
基準値 | 17~45mg/dl(参照値) |
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高値 |
急性期反応蛋白として上昇するが,臨床的意義は少ない. 次に必要な検査CH50,C3を同時に測定するのが望ましい.CH50,C3,C4の低下のパターンと病態から低下の機序を推測する.すなわち,①補体系の活性化による低下か,もしそうなら古典経路,第2経路のいずれの活性化による低下か,②補体成分の産生低下によるか,あるいは,③in vitroにおける低下か,を推測する.免疫複合体疾患を疑えば流血中免疫複合体,抗核抗体をはじめとする自己抗体などの測定. |
低値 | 全身性エリテマトーデス(SLE),悪性関節リウマチ,混合性結合組織病,血清病,播種性血管内凝固症候群(DIC),多臓器不全,血管神経性浮腫(遺伝性,後天性),慢性肝炎,劇症肝炎,クリオグロブリン血症,C4欠損症など.次に必要な検査CH50,C3を同時に測定するのが望ましい.CH50,C3,C4の低下のパターンと病態から低下の機序を推測する.すなわち,①補体系の活性化による低下か,もしそうなら古典経路,第2経路のいずれの活性化による低下か,②補体成分の産生低下によるか,あるいは,③in vitroにおける低下か,を推測する.免疫複合体疾患を疑えば流血中免疫複合体,抗核抗体をはじめとする自己抗体などの測定. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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JCCLS共用基準範囲
基準範囲 |
11~31mg/dL JCCLS(日本臨床検査標準協議会)が健常者の大規模調査データをもとに、日本国内で共通に利用可能な基準範囲として設定したもので、日本医師会をはじめとする関連団体の賛同を得て公表された基準範囲です. |
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製品情報
オートワコー C4・N
添付文書記載の |
参考正常値* 血清 13~35mg/dL *菅野剛史, 他:機器・試薬,20,817-821(1997). <判定上の注意> |
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