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アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)

略称

ALT(GPT)

別名

アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT),グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)

項目名称

アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)

臨床的意義

基準値・異常値

基準値 男性8~42U/l,女性6~27U/l
高値
  • 高度(500U/l以上):劇症肝炎,急性肝炎,ショック肝
  • 中等度(150~500U/l):慢性活動性肝炎,自己免疫性肝炎,アルコール性肝炎,胆汁うっ滞,薬剤性肝障害,急性心筋梗塞,筋疾患
  • 軽度(150U/l以下~基準値上限):慢性非活動性肝炎,アルコール性肝障害,脂肪肝,肝硬変,肝癌,溶血性貧血,悪性腫瘍

Critical/Panic value
【1,000U/l以上】
急性肝炎,劇症肝炎,ショック肝,薬剤性肝障害の原因追求(精神症状や循環動態の確認,薬剤投与歴の確認)


次に必要な検査

ウイルス肝炎マーカーの検索,PT-INR,血小板数,Bil,ALP,γ-GT,アンモニア,Alb,ChE,AFP,PIVKA-Ⅱ,LD,CK,血清蛋白分画

低値
  • 10U/l以下:腎不全,透析患者,ビタミンB6欠乏症,妊娠,D-ペニシラミンやイソニアジド(INH)の服用

次に必要な検査

UN,クレアチニン,服用歴の確認

予想外の値が認められたとき
  • AST,ALTともに活性化にはピリドキサルリン酸(PALP)が補酵素として必要で,ビタミンB6欠乏状態では活性を示さない.このため透析患者やD-ペニシラミン,イソニアジドなどの服用,アルコール多飲などのビタミンB6欠乏症患者血清を,PALPが添加されていないJSCC法で測定した場合には低値となり,肝障害を過小評価する危険性があり注意が必要である.国際臨床化学連合(IFCC)の勧告法にはPALPが添加されている.
  • 乳幼児の値は成人よりも高く出るので注意が必要である.
  • 肝機能異常を呈する薬剤は多い.薬剤服用時には定期的な検査が必要である.
  • ASTは採血時の溶血で赤血球中より遊出し偽高値を示す(LD,Kも同様).ASTは激しい運動でも骨格筋より逸脱し高値となる.
  • 臓器傷害を疑わせる症状がないのにもかかわらずASTが高値を示す場合には,ASTと免疫グロブリンが結合して血中からの消失が遅延するAST結合性免疫グロブリンの可能性を考える.電気泳動によるアイソザイム分析でAST-s,AST-mバンドのほかに異常バンドを認める.病的異常はなく特定の疾患との関連もない.

出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
無断転載を禁止します

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受け、当社が転載しているものです。
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JCCLS共用基準値

基準範囲

M:10~42U/L,F:7~23U/L


*JCCLS(日本臨床検査標準協議会)が健常者の大規模調査データをもとに、日本国内で共通に利用可能な基準範囲として設定したもので、日本医師会をはじめとする関連団体の賛同を得て公表された基準範囲です.

製品情報

添付文書記載の参考正常値

参考正常値 4~44U/L(37℃)


*桑 克彦:医学検査,42(2),188-193(1993).

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