PT
項目名称
プロトロンビン時間
臨床的意義
- PTは,外因系凝固因子(F.Ⅶ),共通系凝固因子(F.Ⅹ,Ⅴ,Ⅱ,Ⅰ)の活性を反映する.これらの因子の量的質的異常による活性低下,あるいは上記因子に対するインヒビターの存在によりPTは延長を示す.
- 出血素因の中の凝固線溶系の異常を疑うときに,スクリーニング検査として施行し,APTTと併せて施行する.
①PT延長,APTT正常:F.Ⅶの異常を疑う.
②PT延長,APTT延長:F.Ⅹ,Ⅴ,Ⅱ,Ⅰなどの共通系凝固因子の異常を疑う. - 複合性凝固障害(重症肝障害,DICなど)を疑うとき,あるいはその程度を知りたいときに検査する.
- PTは,ビタミンK依存性に肝臓で合成されるF.Ⅱ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹの活性を強く反映するので,ビタミンK欠乏や肝障害の評価に用いられる.
- ワルファリンによる抗凝固療法時のコントロール指標として検査する.一般的な抗凝固療法では2.0~3.0を,心臓に機械弁を用いている場合は3.0~3.5を目標とする.
基準値・異常値
基準値 | 10~12秒,活性80~100%,INR 1±0.1 |
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高値 |
外因系および共通系凝固因子(F.Ⅰ,Ⅱ,Ⅴ,Ⅶ,Ⅹ)の先天性欠乏症および分子異常症,重症肝障害,ビタミンK欠乏症,線溶亢進,播種性血管内凝固症候群(DIC),循環抗凝血素の存在,抗凝固療法(特にワルファリン) 次に必要な検査
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予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
ドライヘマト PT
添付文書記載の |
参考基準範囲 9.0~13.0秒 この値は、血漿検体をドライヘマト PTで測定した時の値です.基準範囲は検査対象の母集団によって異なりますので、各検査室で基準範囲を設定することをおすすめします. <結果の算出方法> ・凝固時間:装置が測定した検体の凝固時間です. ・PTの活性%:装置に登録されている検量線情報と検体の凝固時間から算出します. ・INR(International Normalized Ratio):International Sensitivity Index(ISI)と、検体の凝固時間から算出します. INR=(検体の凝固時間/正常検体の凝固時間)ISI 本試薬のISIは1.73、正常検体の凝固時間は11.0秒です. |
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