輸血検査試薬

項目紹介：血液型

血液型は赤血球の表面にある抗原によって決まります。血清学的方法によって多くの型に分けることができます。その中でも、輸血のときに最も大切なのはABOとRhDの２つの血液型です。
輸血を行う場合には患者さんと献血で得られた輸血用血液製剤のABO血液型は同じ型を選びます。
またRhD陰性の患者さんには、同じABO型でRhD陰性の血液を選びます。
患者さんに誤ったABO型赤血球が輸血されると、その赤血球は破壊され、重篤な副作用を起こし、生命の危機に陥ることがあります。
そのため病院の輸血検査室では、正しく輸血検査を実施することが必要です。

項目紹介：反応増強剤の選択

通常、不規則抗体検査や交差適合試験の間接抗グロブリン試験実施時には、約60分の反応時間が必要です。反応時間短縮、検出感度をあげるために、反応増強剤を用います。
試験管法ではポリエチレングリコール液や低イオン強度溶液を、カラム凝集法、固相マイクロプレート法では低イオン強度溶液を用いることで反応時間を10～15分に短縮することができます。

項目紹介：ゲルカラム法とは

DG Gelカードは赤血球凝集反応を用いたゲルカラム遠心凝集法用のカード試薬です。
抗原抗体反応で凝集した赤血球は微粒子フィルターにより分離され、凝集塊としてカラム内（上部～中間部） にバンドを形成し、凝集していない赤血球はカラム底部に沈降します。
この凝集の有無により、血液型、不規則抗体などの判定を行います。
またDG Gel カードは８本のマイクロチューブから構成されており、血液型検査ではより多くの情報を検査者に提示することが可能です。
ゲルカラム法はデキストランゲルが素材であり、流動性が低く取り扱いが容易です。
また凝集・非凝集赤血球の分離に優れ、透明度が高く反応像が観察しやすい特徴があります。