TSH
thyrotropin(thyrotropic hormone)
項目名称
甲状腺刺激ホルモン
臨床的意義
- 本検査は甲状腺機能の異常が疑われるあらゆる場合に甲状腺ホルモン検査(FT4,FT3)と組み合わせて測定する.
- 検査の進め方としては,FT4,FT3値との組み合わせで甲状腺機能異常を診断し,病歴,臨床症状,甲状腺自己抗体検査,画像検査などによって病因の診断を進める.
- 臨床上,対象疾患の大部分を占める原発性甲状腺機能異常において,TSHはFT4,FT3が基準値内に留まるような甲状腺機能のわずかな亢進/低下にも鋭敏に反応して減少/増加するため,その測定は甲状腺機能を正確に評価する上で重要で不可欠なものである.
- 血中TSHは,上記のとおり常に一定に調整されており,基準値をはずれた場合(0.45以下あるいは4.50以上)には何らかの異常を想定してよい.ただ,上記の高値あるいは低値の判定にいたらない境界域(0.10~0.45あるいは4.50~10.0)の場合は,治療を要さない潜在性機能異常以外に中枢性機能異常,SITSH,NTIなどを考え慎重に判断する.
基準値・異常値
基準値 | 0.45~4.50μIU/ml |
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高値 |
10.0μIU/ml以上
次に必要な検査FT4,FT3,甲状腺自己抗体(TgAb,TPOAb,TRAb),サイログロブリン |
低値 |
0.10μIU/ml以下
次に必要な検査FT4,FT3,甲状腺自己抗体(TgAb,TPOAb,TRAb/TSAb),サイログロブリン |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
アキュラシード TSH
添付文書記載の |
参考基準範囲* 0.5〜4.8μIU/mL <判定上の注意> ・検体中に非特異反応物質(異好性抗体等)が存在する場合は、正しい測定結果が得られない場合があります.測定結果に基づく臨床診断は、臨床症状や他の検査結果等と合わせて担当医師が総合的に判断して下さい. ・IFCC 基準適合検査値(PhaseⅣ)に準拠した測定値への補正には係数1.09 を乗じて下さい.IFCC 基準適合検査値(PhaseⅣ)の補正方法を利用して確認された日本人成人(20〜60 歳)の基準範囲は0.61〜4.23mIU/L*2です. *斎藤史郎,宮 恵子:日本臨牀(秋季増刊号),43,771-774(1985). *2菱沼 昭:臨床病理,68(5),404-412(2020). |
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