cTnT,cTnI
トロポニンT,TnT,トロポニンI,TnI
項目名称
心筋トロポニンT,I
臨床的意義
- 心筋構成成分であるため,血中でcTnT,cTnIが検出・増加する場合は心筋が何らかの傷害を受けていることを意味している.
- 心筋梗塞が疑われる場合に検査する.急性心筋梗塞の初期では細胞質中に遊離型で存在するcTnT,cTnIが血中に出現し,心筋が傷害されると筋原線維を構成しているcTnTが血中に出現・増加する.梗塞発症後数時間から十数日間異常値となるので,診断的有用性が長時間である特徴がある.
- 心筋梗塞後の冠動脈再灌流の有無を推定する場合に検査する.早期に閉塞冠状動脈が再灌流すると,遊離型のcTnTがまず血中に増加した後減少し,しばらくして傷害筋原線維のcTnTが血中に出現・増加という2峰性のピークとなる.
基準値・異常値
基準値 | cTnT:0.10ng/ml以下、 cTnI:キットにより異なる |
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高値 |
急性心筋梗塞(早期ばかりでなく,従来の酵素やミオグロビンでは検出不可能であった発症10~14日後でも高値を持続する.また微小梗塞の診断にも有用)
次に必要な検査心筋損傷が疑われるため,心電図,早期診断指標(発症後数時間)としてのミオグロビン,CK-MMアイソフォーム,CK-MB,LD1,ミオシン軽鎖Ⅰを検査する.また,超音波検査や核医学検査,あるいは冠動脈造影などを行う. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
アキュラシード トロポニンT
添付文書記載の |
カットオフ値* 0.1ng/mL <判定上の注意> ・参考正常値は、測定条件や検体によって異なる場合がありますので、各施設で設定することが望まれます. *Klein G., et al:Wiener Klinische Wochenschrift, 110(Suppl 3),40(1998) |
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ミュータスカーディオ トロポニンT
添付文書記載の |
カットオフ値*2 0.1ng/mL <判定上の注意> ・基準範囲は、測定試料、測定条件、基準個体などにより異なる場合がありますので、各施設で臨床医と相談の上設定して下さい. *2 Klein G., et al:Wiener Klinische Wochenschrift, 110, Suppl. 3, 40-51(1998) |
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