総テストステロン
項目名称
テストステロン
臨床的意義
- 睾丸からのテストステロンの分泌調節は視床下部-下垂体の支配のもとにあり,フィードバック機構が成立している.
- 視床下部のLH-RH,下垂体のLHの合成分泌が低下する病変がある場合には,テストステロンの分泌は低下する.視床下部のLH-RHのみが低下するidiopathic hypogonadotropic hypogonadismでは,LH-RHを数日間点滴した後LH-RH試験を行うとテストステロンの分泌は上昇してくる.
- 下垂体腫瘍のうち最も多いプロラクチノーマでは,プロラクチン(PRL)が睾丸,卵巣でのテストステロンの分泌を低下させる.
- 睾丸での病変が先行した場合には,テストステロンは低下しLHは上昇する.
- テストステロン産生腫瘍は,女性では無月経や男性化徴候が出現しLHは抑制されるが,男性では無症状のことが多い.
基準値・異常値
基準値 | 男性 284~799ng/dl 女性 6~82ng/dl |
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高値 |
男性ホルモン産生腫瘍(副腎,性腺)多嚢胞性卵巣症候群,先天性副腎皮質過形成 次に必要な検査LH,FSHを検索する. |
低値 | 視床下部下垂体機能低下症(Kallmann症候群,ゴナドトロピン単独欠損症,Prader-Willi症候群,Laurence-Moon-Biedl症候群,プロラクチノーマ,その他の下垂体腫瘍),原発性性腺機能低下症(Klinefelter症候群,Reifenstein症候群,del Costillo症候群,睾丸無形成症,Turner症候群),思春期遅延,肝硬変,腎不全次に必要な検査LH,FSHを検索する. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
アキュラシード テストステロン
添付文書記載の測定結果 |
参考基準範囲* <判定上の注意> *木内理世 他:医学と薬学, 64(1), 87-93(2010). |
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