PRL
乳汁分泌ホルモン
項目名称
プロラクチン
臨床的意義
- 妊娠,産褥期には血中PRL値は高値をとるが,これらの時期以外に高値をとる場合異常である.さまざまな疾患で高PRL血症が起こるが,頻度が高いのは下垂体腺腫,薬剤性高PRL血症,原発性甲状腺機能低下症,腎不全である.治療の重要性からみると,下垂体腺腫(プロラクチノーマ)が重要で,そのほか頻度は多くないが松果体腫,頭蓋咽頭腫などの視床下部腫瘍も重要である.プロラクチン値300ng/ml以上の異常高値を示す場合は,ほぼプロラクチノーマであると考えてよい.
- 一方,下垂体機能低下症やPRL単独欠損症では,PRL値低下を示す.
- PRL測定は,プロラクチノーマを疑った場合,月経異常や男性性機能異常(プロラクチン分泌が過剰になると無月経,男性性機能異常が高率に生じる)を認めた場合,必須の検査である.
基準値・異常値
基準値 | 〈IRMAによる基準値〉 男性1.5~9.7ng/ml,女性1.4~14.6ng/ml 〈CLIAによる基準値〉 男性3.6~12.8ng/ml,女性6.1~30.6ng/ml |
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高値 |
下垂体腺腫(プロラクチノーマ),松果体腫,頭蓋咽頭腫,先端巨大症,empty sella症候群,薬剤性高プロラクチン血症,原発性甲状腺機能低下症,前胸部の疾患(乳癌など),Cushing病,腎不全,神経性食欲不振症,特発性乳汁漏出症 次に必要な検査
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低値 | 下垂体前葉機能低下症,プロラクチン単独欠損症次に必要な検査
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予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
アキュラシード プロラクチン
添付文書記載の測定結果 |
参考基準範囲*,*2 男性 5~20ng/mL 女性 卵胞期 7~40ng/mL <判定上の注意> * 坂倉啓一 他:ホルモンと臨床, 52(9), 929-943(2004). |
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