PCT
項目名称
プロカルシトニン
臨床的意義
- 細菌感染症の鑑別診断には主として培養検査が行われているが,この検査は結果報告までに時間がかかり感染症に対する治療が遅れる.そこで,感染症の疑いのある患者に対して迅速に細菌感染症と非細菌感染症を鑑別診断するのに有用である.
- 細菌感染の重症度評価や全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome;SIRS)の監視,敗血症や多臓器不全における治療効果および予後を判定するときに用いる.
- 大手術,臓器移植,多発外傷,化学療法,重篤な膵炎や胆管炎など,全身性細菌および真菌感染症のリスクの高い患者を経過観察するときや市中感染肺炎(community-acquired pneumonia)に対して抗菌薬療法を実施するときのパラメーターとなる.
- CRPとプロカルシトニンには相関関係は認められない.CRP低値症例ではプロカルシトニン濃度も基準範囲内であるが,CRP高値症例では重症細菌感染症(敗血症および重症肺炎)のみプロカルシトニン濃度が有意な上昇を呈し,プロカルシトニンとCRPの挙動は異なる.
基準値・異常値
基準値 | 0.3ng/ml以下 |
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高値 |
0.5~2.0ng/ml:重症細菌感染症(敗血症,重症肺炎,髄膜炎など),多臓器不全,全身性真菌感染症(カンジダ,アスペルギルスなど),寄生虫感染症(マラリアなど),膵炎 Critical/Panic value 次に必要な検査体温,心拍数,呼吸数,白血球数,炎症マーカー(CRP,SAA,IL-6など)などの測定や画像診断(胸部X線,CT-scan)を行う.また,感染症が疑われる場合は病原体の検査を進める. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
アキュラシード PCT
ミュータスワコー PCT・i50
添付文書記載の |
敗血症(細菌性)鑑別診断のカットオフ値* 0.5ng/mL <判定上の注意> ・検体採取時期が回復期にかかると低値を示す可能性があります. *Naoki Aikawa et al.;J Infect Chemother, 11, 152-159(2005). *2 Shigeatsu Endo et al.:J. Infest Chemother, 14, 244-249(2008). *3 春木宏介:日本臨床微生物学雑誌, Vol.21, No.2, 113-120(2011). *4 Martin Stocker et al.:Neonatology, 97, 165-174(2010). |
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スムーズチェックワコー PCT
添付文書記載の |
カットオフ値 敗血症(細菌性)鑑別診断のカットオフ値* 0.5ng/mL <判定上の注意> ・検体採取時期が回復期にかかると低値を示す可能性があります. ・判定は必ずキット同封のリファレンスカードを使用して下さい. ・本品は目視判定のため、境界値付近では測定者間又は施設間によって判定結果が異なる場合があります. ・0.5ng/mL未満の検体でも、テストラインが確認される場合がありますが、リファレンスカードの0.5の色調と比較して、色調が薄い場合には陰性として判定して下さい. *Naoki Aikawa et al.;J Infect Chemother, 11, 152-159(2005). *2 Shigeatsu Endo et al.:J. Infest Chemother, 14, 244-249(2008). *3 春木宏介:日本臨床微生物学雑誌, Vol.21, No.2, 113-120(2011). *4 Martin Stocker et al.:Neonatology, 97, 165-174(2010). |
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