NT-proBNP
項目名称
脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント
臨床的意義
- BNPと同様に心室の負荷を反映する指標として重要であり,心室負荷をきたす疾患や病態で上昇する.BNPとの相関性は良好で,心機能障害の指標として有用である.さらに慢性および急性心不全では重症度に応じて変動することから,心不全の病態把握にきわめて有用である.すでに欧米の心不全診断ガイドラインにおいても有用な指標として評価され,わが国におけるガイドラインにおいても心不全の治療効果判定および予後評価の指標として評価されている.
- BNPに比して血中半減期が長いことから,NT-proBNPは血中濃度の上昇の程度が著明であり,心不全の早期診断や慢性心不全の重症度およびその経過を客観的に把握する指標として有用である.さらに心不全や心肥大に対する薬剤による治療効果の確認,判定にも有用である.また,健康診査における心疾患のスクリーニング検査としての有用性が期待されている.
- NT-proBNPとともに胸部X線(心胸郭比),心電図,心エコー,糸球体濾過量(クレアチニンクリアランスなど),血清クレアチニン,血液尿素窒素など心機能,腎機能を中心に体液量および心室負荷をきたす因子の検査を実施し,総合的に評価を行う.
基準値・異常値
基準値 | 125pg/ml以下 |
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高値 |
慢性心不全,急性心不全,心筋症,心肥大 次に必要な検査心エコー検査,運動負荷検査,腎機能検査などを行う. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
アキュラシード NT-proBNP[Ⅱ]
ミュータスワコー NT-proBNP・i50
添付文書記載の |
参考基準値* 54.5pg/mL以下 <判定上の注意> ・参考基準値は、測定条件や検体によって異なる場合がありますので、各施設で設定することが望まれます. *Seino Y., et al.:Eur. J. Heart Fail., 6, 295-300(2004) *2M. Al-Barjas, et al.:Eur. J. Heart Fail. Suppl., 3(1), 51(2004) *3清野精彦 他:BIO Clinica, 19(6),47-53(2004) |
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