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遊離サイロキシン

略称

FT4

別名

遊離T4,フリーT4,遊離チロキシン

項目名称

遊離サイロキシン

臨床的意義

基準値・異常値

基準値 0.7~1.5ng/dl
高値
  • 甲状腺機能亢進症:Basedow病(Graves' disease),Plummer病,TSH産生腫瘍(下垂体性,異所性)
  • 破壊性甲状腺炎:亜急性甲状腺炎,無痛性甲状腺炎,出産後一過性甲状腺中毒症,急性化膿性甲状腺炎
  • 甲状腺ホルモン不応症(Refetoff症候群)
  • T4製剤過剰服用
  • 異常結合蛋白(異常アルブミン,抗T4自己抗体)
低値
  • 甲状腺機能低下症:橋本病,特発性粘液水腫,続発性(下垂体,視床下部性)甲状腺機能低下症
  • T3製剤過剰服用
  • 低アルブミン血症(ネフローゼ症候群,肝硬変)
  • アンドロゲン剤服用
  • 蛋白同化ホルモン剤服用

次に必要な検査

  • 遊離T3濃度およびTSH濃度などと総合的に判断する.
  • TBGの測定も一度は必要である.
  • 抗TSH受容体抗体(TRAb),抗サイログロブリン抗体(TgAb),抗ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb,抗マイクロゾーム抗体)などの検査は,自己免疫異常の関与の有無を診断するのに有用である.
  • 放射性ヨード摂取率の検査は,Basedow病と破壊性甲状腺炎の鑑別に有用である(実施はやや煩雑である).
予想外の値が認められたとき
  • 異常な甲状腺ホルモン結合蛋白(抗T4自己抗体,異常アルブミンなど)が存在するとき.
  • 血中遊離脂肪酸が高値の場合,キットによっては異常高値を示す.
  • 甲状腺ホルモン不応症(Refetoff症候群)では,末梢甲状腺ホルモン濃度と甲状腺機能は相関しない.
  • T3過剰服用による甲状腺中毒症の場合低値であり,低アルブミン血症や妊娠後期でも低値を示すことがある.
  • 薬物の服用(ジフェニルヒダントイン,サリチル酸剤).

出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
無断転載を禁止します

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受け、当社が転載しているものです。
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製品情報

添付文書記載の
測定結果
の判定法

参考正常値 0.83〜1.77ng/dL(血清)

(210例で測定算出した場合の参考正常値)


<判定上の注意>

・参考正常値は、測定条件や検体によって異なる場合がありますので、各施設で設定することが望まれます.

・検体中に非特異反応物質(異好性抗体等)が存在する場合は、正しい測定結果が得られないことがありますので、測定結果の判定は他の検査や臨床症状等を考慮して担当医師が総合的に判断してください.

お客様より寄せられた「よくある質問」を掲載しています。 よくある質問

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