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遊離トリヨードサイロニン

略称

FT3

別名

フリーT3,遊離T3,遊離トリヨードチロニン

項目名称

遊離トリヨードサイロニン

臨床的意義

基準値・異常値

基準値 1.7~4.0pg/ml
高値
  • 甲状腺機能亢進症:Basedow病(Graves' disease),Plummer病,TSH産生腫瘍(下垂体性,異所性)
  • 破壊性甲状腺炎:亜急性甲状腺炎,無痛性甲状腺炎,出産後一過性甲状腺中毒症,急性化膿性甲状腺炎
  • 甲状腺ホルモン不応症(Refetoff症候群)
  • T3製剤過剰服用
低値
  • 甲状腺機能低下症:橋本病,特発性粘液水腫,続発性(下垂体,視床下部性)甲状腺機能低下症
  • T4からT3への転換の障害:低T3症候群,栄養不良,重症消耗性疾患,神経性食欲不振症

次に必要な検査

  • 甲状腺機能の把握に有力な検査であるが,他の検査,特にTSH,FT4と合わせ総合的に甲状腺機能状態を判定する必要がある(一般にTSHの方が甲状腺機能状態に鋭敏に反応する.FT3が基準範囲の値を示しても,TSHが上昇していれば,機能低下状態と判断できる).
  • 検査法の改良でTBGやT3自己抗体の影響を受けにくいように工夫されているが,このため逆にTBG異常や自己抗体の存在が見逃される可能性がある.
  • FT3測定の特性を理解したうえで日常診療にあたり,必要に応じ総T4,総T3,TBG測定結果と合わせて判断する必要がある.
予想外の値が認められたとき
  • 薬物の服用(甲状腺ホルモン剤,ヨード剤など),抗T3自己抗体,低アルブミン血症,抗マウス抗体(HAMA)などの検索を行う.

出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
無断転載を禁止します

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受け、当社が転載しているものです。
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製品情報

添付文書記載の
測定結果
の判定法

参考基準範囲 2.51〜4.16pg/mL(血清)

(193例で測定算出した場合の参考基準範囲)


<判定上の注意>

・参考基準範囲は、測定条件や検体によって異なる場合がありますので、各施設で設定することが望まれます.

・検体中に非特異反応物質(異好性抗体等)が存在する場合は、正しい測定結果が得られないことがありますので、測定結果の判定は他の検査や臨床症状等を考慮して担当医師が総合的に判断してください.

お客様より寄せられた「よくある質問」を掲載しています。 よくある質問

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