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FSH

別名

卵胞刺激ホルモン

項目名称

FSH

臨床的意義

基準値・異常値

基準値 ・女性:卵胞期 3.0~14.7mIU/ml
  排卵期 3.2~16.7mIU/ml
  黄体期 1.5~8.5mIU/ml
  閉経後 157.8mIU/ml以下
・男性:2.0~8.3mIU/ml
高値

精巣機能低下症,卵巣性無月経,多嚢胞卵巣症候群(LHは持続的高値,FSHは正常レベル),Turner症候群,Klinefelter症候群


次に必要な検査

〈女性〉

  • LH,FSHともに低値:下垂体障害あるいは視床下部障害で,LH-RH負荷試験の反応性が前者では低下し,後者では存続している.下垂体障害が疑われたときは,他の下垂体ホルモン(TSH,ACTH,GH)の測定のほかX線CT,MRIなどの画像診断により原因検索を行う.視床下部障害のときは画像診断に加えて摂食異常などアナムネーゼをよく聴取する.
  • LHが高値,FSHが正常:多嚢胞性卵巣症候群で,超音波検査,腹腔鏡検査が必要となる.
  • LH,FSHともに高値:性腺障害で,性ステロイドの低値を確認し,腹腔鏡検査も適応となる.

〈男性〉

  • LH,FSHともに低値:続発性精巣機能不全で,画像診断など精査が必要となる.
  • LH,FSHともに高値:原発性精巣機能不全で,テストステロン測定,精液検査,精巣生検などを行う.
低値 下垂体性精巣機能低下症,視床下部性精巣機能低下症,視床下部性無月経,下垂体機能低下症,Kallman症候群,神経性食欲不振症

次に必要な検査

〈女性〉

  • LH,FSHともに低値:下垂体障害あるいは視床下部障害で,LH-RH負荷試験の反応性が前者では低下し,後者では存続している.下垂体障害が疑われたときは,他の下垂体ホルモン(TSH,ACTH,GH)の測定のほかX線CT,MRIなどの画像診断により原因検索を行う.視床下部障害のときは画像診断に加えて摂食異常などアナムネーゼをよく聴取する.
  • LHが高値,FSHが正常:多嚢胞性卵巣症候群で,超音波検査,腹腔鏡検査が必要となる.
  • LH,FSHともに高値:性腺障害で,性ステロイドの低値を確認し,腹腔鏡検査も適応となる.

〈男性〉

  • LH,FSHともに低値:続発性精巣機能不全で,画像診断など精査が必要となる.
  • LH,FSHともに高値:原発性精巣機能不全で,テストステロン測定,精液検査,精巣生検などを行う.
予想外の値が認められたとき
  • 基準値の項には成人値のみを示したが,年齢により異なるので,小児の場合は小児の基準値をみる必要がある.
  • 女性では月経周期による変動がみられるので,どの期に採血したかチェックすることも大切である.

出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
無断転載を禁止します

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受け、当社が転載しているものです。
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製品情報

添付文書記載の
測定結果
の判定法

参考基準範囲*,*2


男性
1.8~12mIU/mL


女性
卵胞期  3~10mIU/mL
排卵期  5~24mIU/mL
黄体期  1.3~6.2mIU/mL
閉経後  26~120mIU/mL


<判定上の注意>
・基準範囲は様々な要因により変動する可能性がありますので、各施設にて適した値を設定して下さい.
・検体中に非特異反応物質(異好性抗体等)が存在する場合は、正しい測定結果が得られない場合があります.測定結果に基づく臨床診断は、臨床症状や他の検査結果等と合わせて担当医師が総合的に判断して下さい.


*坂倉啓一 他:ホルモンと臨床, 52(9), 929-943(2004).
*2坂倉啓一 他:ホルモンと臨床, 53(5), 123-129(2005).

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