E2
項目名称
エストラジオール
臨床的意義
- まれなホルモン産生腫瘍のある場合を除き,E2は基本的に卵巣により産生されると考えてよいため,卵胞発育と顆粒膜細胞のステロイド産生能,すなわち無月経・無排卵症例を含む各症例における卵巣機能を直接反映する指標となる.
- ゴナドトロピンテストでは,卵巣の反応性評価のために,E2を測定する.また,不妊治療,特に体外受精などのためFSHやhMGを排卵誘発剤として投与するときは,超音波断層法とともに,E2の迅速な測定法を用いることにより卵胞発育を評価しhCG投与時期を判断する指標となる.
- 閉経から更年期以後においては,特にRIAによる高感度測定法を用いると残存する卵巣機能を推定するためにFSHとともに有用である.また,ホルモン補充療法としてE2貼付剤を使用中には,その吸収と効果を直接評価することが可能である.
- なお,排卵の有無など卵巣機能の評価のためには,併せて血中プロゲステロン測定が必要である.無月経などの原因究明には,GnRHテスト,加えて,染色体検査,腹腔鏡検査などを必要とすることもある.エストロゲン産生腫瘍では血中FSH測定も有用である.
基準値・異常値
基準値 | ・男性:15~35pg/ml ・女性(非妊婦) 卵胞期前期:25~85pg/ml 卵胞期後期:25~350pg/ml 排卵期 :50~550pg/ml 黄体期 :45~300pg/ml 閉経後 :21pg/ml以下 ・女性(妊婦) 10週未満:600~3,600pg/ml 10~15週:800~5,500pg/ml 16~20週:3,200~20,000pg/ml 21~25週:8,900~27,000pg/ml 26~30週:7,900~35,000pg/ml 31週以上 :11,000~49,000pg/ml [ECLIA法] |
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高値 |
エストロゲン産生腫瘍,卵巣過剰刺激症候群(OHSS),先天性副腎皮質過形成,多胎妊娠,肝疾患(男性) |
低値 | 卵巣機能不全,卵巣低形成(無形成),早発卵巣不全(POF),閉経,低ゴナドトロピン症(Sheehan症候群,Simmonds症候群),Chiari-Frommel症候群,神経性食欲不振症,胎盤サルファターゼ欠損症,胎盤機能不全 |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
アキュラシード E2
添付文書記載の測定結果 |
参考基準範囲*,*2,*3 <判定上の注意> * Andreas N et al.:Annals of Laboratory Medicine, 36(1), 55-59(2016). |
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