CYFRA
シフラ,シフラ21-1
項目名称
サイトケラチン19フラグメント
臨床的意義
- 本検査は,肺非小細胞癌,特に肺扁平上皮癌の診断,治療効果のモニタリングの場合に実施される.
- 肺非小細胞癌の診断とモニタリング:肺癌の85~90%を占める肺非小細胞癌で高い陽性率を示す.腺癌でCEAと同程度,SCCよりも高い陽性率を示し,また,扁平上皮癌では他のマーカーより高い陽性率を示す.化学療法および術後の臨床経過に伴い,病態を的確に反映しており,治療効果のモニターとして有効なマーカーである.なぜなら,シフラは細胞の破壊による逸脱ではなく,腫瘍細胞内のプロテアーゼ亢進に起因するサイトケラチンフラグメントの分解によるものであるので,手術や化学療法,放射線療法自体による細胞傷害の影響を受けないからと考えられる.
- 肺扁平上皮癌の早期診断:肺扁平上皮癌において病期Ⅰ・Ⅱの早期癌でも60%以上の陽性率を示し,早期診断にも非常に有効なマーカーとして期待される.
基準値・異常値
基準値 | 3.5ng/ml以下(ECLIA,ELISA)、2.0ng/ml以下(IRMA)(腫瘍マーカーとしてのカットオフ値) |
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高値 |
【陽性】
【偽陽性】
次に必要な検査画像検査,病理組織診などで診断する.肺癌の診断にはスパイラルCTが導入され,SCCとともに血清マーカーとの組み合わせで有効な診断論理が考えられる. |
予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
アキュラシード シフラ[Ⅱ]
添付文書記載の |
参考基準範囲* 3.5 ng/mL 以下(血清) <判定上の注意> ・参考基準範囲は、測定条件や検体によって異なる場合がありますので、各施設で設定することが望まれます. ・検体中にヒト抗マウス抗体(Human Anti Mouse Antibody:HAMA)等の異好性抗体や非特異反応物質が存在する場合は、正しい測定結果が得られないことがありますので、測定結果の判定は他の検査や臨床症状等を考慮して担当医師が総合的に判断してください. *平島智徳:臨床検査ガイド2011~2012,906(2011) |
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