項目名称
CA15-3
臨床的意義
- CA15-3は原発性乳癌よりも転移性乳癌での陽性率が高く,進行性乳癌でも陽性率が高く,かつ高値例も多い.再発部位別にみると,遠隔転移,特に肝転移では陽性率もCA15-3濃度も高い.それに対し,局所の再発およびリンパ節転移では陽性率は低い.したがって,再発例でCA15-3が高値を示した場合,肝や骨などへの遠隔転移を疑うべきである.
- このように,CA15-3は乳癌のスクリーニングではなく,再発の予知や治療効果の判定におけるモニタリングマーカーとしての臨床的評価が高い.すなわち,臨床的に再発が認められなくても,乳癌の術後患者のCA15-3が徐々に増加してくる場合は,潜在性の再発を疑う.
- 乳癌以外の悪性腫瘍の陽性率は,肺癌,膵癌,胃癌,腎癌,子宮癌などで20%前後,卵巣癌で40%前後である.また,乳腺の良性疾患でもまれに陽性となり,他に子宮筋腫,子宮内膜症,卵巣嚢腫などの婦人科疾患,肝機能障害で陽性となる場合がある.
基準値・異常値
基準値 | 30U/ml以下(腫瘍マーカーとしてのカットオフ値) |
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高値 |
【陽性】
次に必要な検査
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予想外の値が認められたとき |
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出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
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製品情報
アキュラシード CA15-3
添付文書記載の |
参考正常値* 27U/mL以下(血清) <判定上の注意> ・検体中に非特異反応物質(異好性抗体等)が存在する場合は、正しい測定結果が得られないことがありますので、測定結果の判定は他の検査や臨床症状等を考慮して担当医師が総合的に判断してください. *鈴木昭彦 他:臨床検査ガイド2011~2012,913(2011) |
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