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ACTH

別名

副腎皮質刺激ホルモン,コルチコトロピン

項目名称

ACTH

臨床的意義

基準値・異常値

基準値 7~56pg/ml
高値
  • コルチゾール低値:Addison病,先天性副腎皮質過形成,Nelson症候群,ACTH不応症
  • コルチゾール高値:Cushing病,異所性ACTH産生腫瘍,異所性CRH産生腫瘍,グルココルチコイド不応症
低値
  • コルチゾール高値:副腎腫瘍によるCushing症候群,原発性副腎皮質結節性過形成
  • コルチゾール低値:視床下部性下垂体前葉機能低下症,下垂体性下垂体機能低下症,ACTH単独欠損症,デキサメサゾン内服

次に必要な検査

  • 血中ACTH濃度が異常値の場合は,血中コルチゾール測定が必須である.そのほかDOC(11-デオキシコルチコステロン),DHEA(デヒドロエピアンドロステロン),アルドステロン,エストロゲン,テストステロンなど各種ステロイドの測定も必要となる.
  • ACTHとコルチゾールがともに高値の場合には,デキサメサゾン抑制試験を行いCushing症候群の鑑別診断を行う.単純性肥満との鑑別には1mgデキサメサゾン抑制試験が簡便である.
  • ACTHが高値でもコルチゾールが低値の場合にはACTH負荷試験を行う.
  • ACTHが低値でコルチゾールが高値の場合には,副腎からの自律的コルチゾール産生が疑われるため,各種画像検査とともに前述のデキサメサゾン抑制試験を行う.
  • ACTHとコルチゾールがともに低値の場合には,CRH試験,インスリン低血糖試験,リジン・バソプレシン試験などのACTH分泌刺激試験を行い,下垂体のACTH分泌能を評価する.また,ACTH負荷試験を行って副腎皮質の反応を調べ,二次性副腎皮質機能低下症の鑑別を行う.
予想外の値が認められたとき
  • ACTH値は,日内リズムやストレスなどで影響を受けやすいので,これらの影響による予想外の値でないか,チェックする必要がある.このため通常は,早朝・空腹時・30分以上の安静臥位後の採血によるACTH値を基礎値とする.
  • また,ACTHは蛋白分解酵素の作用を受けやすく不安定であるので,EDTA-2Na入りのスピッツに採った検体は直ちに氷水中で冷却し,遠心分離し,血漿は-20℃以下で凍結保存する.
  • 測定系でIRMAはRIAに比べて感度,特異性が高いので,big ACTHという生物活性の低いACTHも測定してしまう可能性がある.予想しないACTHの著明な高値を示した場合は,このbig ACTHの存在を考慮する必要がある.

出典:「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
©Ishiyaku Publishers,Inc.,2008.
無断転載を禁止します

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受け、当社が転載しているものです。
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製品情報

添付文書記載の
測定結果
の判定法

参考基準範囲 6.6~63.2pg/mL(採血時間:午前8 時~12 時)

(血漿125例で算出した場合の参考基準範囲)


<判定上の注意>

・基準範囲は様々な要因により変動する可能性がありますので、各施設にて適した値を設定して下さい.

・検体中に非特異反応物質(異好性抗体等)が存在する場合は、正しい測定結果が得られない場合があります.測定結果に基づく臨床診断は、臨床症状や他の検査結果等と合わせて担当医師が総合的に判断して下さい.


*自社データ

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